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ミャンマー:メディアの取り締まりをエスカレートさせるミャンマー国軍

不当に拘禁し有罪にしたジャーナリストを釈放せよ

(バンコク)–ミャンマー国軍はジャーナリストの訴追をやめ、独立したメディアに対する攻撃を終わらせるべきだ、とヒューマン・ライツ・ウォッチは、メディアの取り締まりに関連する動画を公開した本日述べた。

ビルマ政治囚支援協会(AAPP)によると、2021年2月1日のクーデター以来、ミャンマー軍は98人のジャーナリストを逮捕し、うち46人が現在も拘禁されている。有罪判決を受けたジャーナリストは6人で、うち5人は刑法第505A項が適用された。同条項は、「恐怖を与える」または「偽のニュースを拡散する」発言を公開または流布することを犯罪と新たに定めたものである。「偽のニュース」とは、当局が世間に知られたくないニュース全般を指すようだ。

The junta’s intensifying surveillance, harassment and detention of journalists is rapidly turning Myanmar into one of the region’s most dangerous places to be a journalist.
Phil Robertson

deputy Asia director

ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局局長代理フィル・ロバートソンは、「ミャンマー軍はジャーナリストの大量逮捕とメディアの掌握を、民主的に選ばれた政府から権力を奪還するためのカギとしてきた」と指摘する。「ジャーナリストの監視・嫌がらせ・拘禁が悪化するなか、同国は急速にジャーナリストにとってアジア地域でもっとも危険な場所の1つになりつつある。」

6月30日に情報省は、軍が設置した国家行政評議会を「軍事政権」と表現するのをやめなければ訴追されることになる、とジャーナリストに警告を発した。また、国外の報道機関に対しても、「軍事評議会」または「軍事政権」という用語の使用を停止し、「世界の人びとへ偽のニュースを流布する」のをやめるよう警告した。偽のニュースを誤って使用・引用・誇張したり、誤った情報を拡散したりした場合、既存の法律を適用して、報道機関を訴えることになる」と威嚇した。

第505A項を適用され有罪判決をうけた人びとは次の通り:

  • 民主ビルマの声(DVB)のKaung Myat Hlaing氏:タニンダーリ地方域ミエイの自宅で逮捕され、2年の刑を宣告された。
  • DVBのMin Nyo氏:バゴー地方域ピイで抗議活動を取材中に逮捕され、3年の刑を宣告された。
  • DVBのThet Naing Win氏:バゴー地方域で逮捕され、3年の刑を宣告された。
  • フリーランス記者のZaw Zaw氏:タニンダーリ地方域ミエイで抗議活動を取材中に逮捕され、2年の刑を宣告された。
  • フリーランス写真家のHtoo San氏:タニンダーリ地方域ミエイで3年の刑を宣告された。

もう1人のDVB記者May Thwe Aung氏はある政府関係者に従わなかったとして、刑法第188項に基づき1カ月の刑を言い渡された。氏は3月16日に、当局がThe Voice Daily記者の夫Min Min Aung氏を逮捕したことを知った。そこで夫を探そうとヤンゴン地方域オクカン郡区の警察署に到着した際、警察に拘束され、最終的に訴追された。

ジャーナリストの取り締まりは、ミャンマー軍がミャンマーの事態に関する独立した報道を制御し、全土で軍が犯している重大な人権侵害を否定する試みの一環だ。とある地元記者はヒューマン・ライツ・ウォッチに、「事態が悪化すれば、私たちにとって安全なところはなくなります。そうなったら国を離れるよりほかありません」と訴えた。

5月4日にはFrontier Myanmar編集長の米国人ジャーナリスト、ダニー・フェンスター氏がヤンゴン国際空港国から出国しようとしていた際に逮捕され、6月18日にインセイン刑務所内の非公開審問で、刑法第505A項に基づき訴追された。訴追の根拠ははっきりしていない。

3月9日、警察がKamayut Media創設者のNathan Maung氏およびHan Thar Nyein氏を、ヤンゴン地方域カマユート郡区にある両氏のオフィスで逮捕した。その後釈放され、国外に脱出したMaung氏は、絶え間ない殴打や睡眠はく奪をはじめとする拷問の日々に2人とも耐えなければならなかった、と述べている。Nyein氏は依然として拘禁されたままだ。「私は自由の身になれましたが、今のゴールはHan Tharやその他の人の釈放を確実にすることです。彼らはジャーナリストです。犯罪者ではありません。」

ジャーナリストの多数の逮捕・訴追で、ミャンマーの独立した報道に重大な萎縮効果がもたらされた。3月8日に軍事政権は、5つの地方媒体(DVB、Khit Thit Media、Mizzima、Myanmar Now、7Day)の報道免許を剥奪。5月4日には、カチン州が拠点の74Mediaとシャン州が拠点のTachilek News Agencyの報道を禁じた。また、5月4日から衛星テレビ放送を禁じ、より厳格な検閲を実施。3月15日に発出されたモバイルインターネット規制も引き続き適用されている。

国際人権法は、ジャーナリストを拘禁したり、報道を禁止したりすることを含め、言論と表現の自由に対する恣意的な規制を禁じている。

ロバートソン局長代理は、「独立したメディアに対する軍の継続的な取り締まりおよびジャーナリストの逮捕は、検閲の強化も相まって、軍のプロパガンダのみでミャンマー市民を囲い、孤立させてしまう恐れがある」と指摘する。「軍は、政治的動機に基づいたジャーナリストに対する訴追を、すべて即時かつ無条件に取り下げ、報道免許を復活させ、かつメディア関係者に適用された人権侵害的な法律を廃止すべきだ。」

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